AzRun開発では、AI活用と工程の一貫性により1営業日でプロトタイプを完成させている。午前にヒアリングと仕様整理、午後にAIで骨組み構築と接続作業を行い、夕方には動作可能な状態に。

「1 営業日でプロトタイプ」という言葉だけ聞くと、雑に作っているように聞こえます。
違います。設計の手抜きをしないまま、形にするまでを短くしている、ということです。

どんなツール構成で、どんな順序で、何を判断軸にしているか。
実際の流れを書いておきます。

ツール構成は、最小限

現在の AzRun の開発ベースは、こうです。

  • Cursor — エディタとして、コードの大部分を AI と書く
  • Claude Code — リポジトリ全体を理解した上で、長めの編集や検証を任せる
  • MCP / サブエージェント — 仕様の調査、検索、外部 API 呼び出しを切り出す

ここに、必要に応じて Playwright、ドキュメント連携、社内ナレッジ MCP を足します。
やっていることは、AI が触れる足場を整える、ということです。

1 営業日の中身

実際の流れは、おおむね次のようになります。

午前 9 時 — ヒアリングと前提整理

経営者か事業責任者の方と、その場で 60〜90 分話します。何を確かめたいのか、誰がどう使うのか、どこに違和感があるのか。話の途中で、すぐに簡単な図やフローを共有する。書類は後回しにします。

午前 11 時 — 仕様メモを書く

話を踏まえて、構造のメモを書きます。データのかたち、画面の数、業務との接続。フォーマットはマークダウンで構いません。完璧でなくていい。AI に渡せる粒度なら、それで十分です。

午後 1 時 — プロト構築の指示出し

メモを渡して、Claude Code に骨組みを書かせます。ファイル構成、データモデル、画面遷移。手が早いのは AI ですが、判断は人がやる。

午後 5 時 — 触れる状態に揃える

つながらない部分をつなぎ、最低限のサンプルデータを入れ、URL を発行できる状態にする。ここまでが「1 営業日」の中身です。

なぜ、これが成り立つのか

AI を使えば速い、というだけの話ではありません。
鍵は、商談・設計・実装を、一人が見ていることです。

会議のたびに引き継ぐと、思い出しと共有に時間が消える。
決めたことをコードに落とすまでに、また誰かを挟む。
AzRun はその構造を持っていません。
だから、午前に話したことが、夕方には動いている。

プロトに、見栄を張らない

最後にひとつ。
私たちは、プロトをきれいに見せようとしません。
色やレイアウトは後で整えればいい。
最初に確かめるのは、業務のかたちと、データの流れ。
判断するために十分なものを、最短で出す。それが目的です。